【社協だよりいずもvol.134 令和3年6月18日発行号掲載】
「何かしたい」気持ち
昨年からの新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、出雲市でも多くの方が生活に影響を受けました。
生活にお困りの方を「食」で応援するため、出雲市社会福祉協議会(出雲市社協)では「フードドライブ」を実施。これは、地域の皆さんや企業、団体から寄せられた食品等を無料でお渡しする取組です。家庭等で食べきれない食品や使わない日用品の寄附を呼びかけたところ、寄せられた品は約6万点。800人のもとへ届けることができました。
誰もが生活のしづらさを感じ、人と人とのつながりが希薄になるなか、地域の皆さんの「何か自分にできることをしたい」気持ちは色褪せません。協力者のおひとりは「自分が誰かのために貢献できることがありがたいです」と話します。
支える側になりたい!
フードドライブによる食品支援は、コロナ禍で苦しい思いをする島根県立大学(県立大学)の学生にも。食品を受け取った学生は、「人の温かさを感じました。今度は支える側になりたいです!」と想いを語ります。
恩返しにと、4月に行われた3回目のフードドライブでは、県立大学健康栄養学科と看護学科の学生4人がボランティアとして参加。寄せられた食品・日用品の袋詰め作業に、受け取る「誰か」への想いを馳せながら汗を流しました。
さらに、県立大学×出雲市社協の緊急コラボ企画を実施。「コロナ禍で不安な生活を送る新入生を応援したい」と県立大学健康栄養学科教授らのレシピをもとに、同学科3年生が「美肌弁当」を手作りし、新入生150人をおもてなし。お弁当には、フードドライブで集まった食材を使い、食品ロス削減も目指しています。
新入生たちは「不安な気持ちが晴れました」「感謝の気持ちでいっぱいです」「コロナに負けずがんばります」と話し、自然と笑顔がこぼれます。
私たちはひとりじゃない
「食」を通じてつながった支援の輪。「お互いに助け合って乗り越えていきましょう」「あなたはひとりじゃありません」とのメッセージが力強く響きます。
コロナ禍で皆がつらい思いをするなか、「できることをしたい」「支えたい」という一人ひとりの想いが誰かを支える取組としてカタチになっています。