月橋 佑音 -いまだからできることを-

【社協だよりいずもvol.151 令和5年12月20日発行号掲載】
学校や家以外の子どもたちの居場所をつくりたいという思いから、令和元年に当時島根大学医学部の学生であった足立元さんが立ち上げた「てごほ~む」の現代表。小学生、中学生、高校生に無料の学習スペースを開いている。島根大学医学部4年生。(2023年12月現在)

子どもたちの身近な存在

「てごほ~む」は毎週土曜日、塩冶神社を会場に活動を行っています。対面での学習支援だけでなくビデオ会議ツールを活用しオンラインでも学習できる場を設けています。子どもたちはそれぞれ参加しやすい方法で集まり、勉強をしたり休憩したりしながらリラックスした時間を過ごしています。

月橋さんはこの活動について「塾のように指導するのではなく、勉強って楽しい!と思ってもらえるようなきっかけづくりを心掛けています。一緒に解き方を考えたり、クイズ形式で問題を出したり、一人ひとりの学習のお手伝いをさせてもらってます。子供たちが『わかった!』と喜んでくれるとこっちも嬉しくなりますね」と話します。

休憩時間には外遊びやアナログゲームなど子どもたちと楽しむ時間も取り入れているそうで「盛り上がりすぎて遊ぶ時間が増えてしまうこともよくあります。でもこの時間に子どもたちと会話をすることで仲良くなるきっかけになるので、なくてはならない時間ですね」と話します。

時には学校生活や進路の相談を受けることもあるそうで、自分の経験を伝えたり一緒に考えたりしながら子どもたちを導いています。親でも先生でもない地域のお兄さんお姉さんとして寄り添い、子どもたちの心強い存在となっています。

地域に広がる場所として

令和元年の発足当時は、対面での学習スペースとして活動をしていました。しかし、コロナ禍となりオンラインでの活動に方向転換させました。「オンライン会議ツールを使用した学習方法に初め苦戦していましたが、活動を続けていくうちに子どもたちの参加も少しずつ増えていきましたね」と当時を振り返りながら話します。

子どもたちの中には対面が苦手な子や市外に住んでいる子もいたそうで、幅広いニーズに応えることができ、参加者が増えていったきっかけの一つになりました。「関東から参加したい子がいたときはびっくりしましたね。場所を問わず「てごほ~む」を必要としている子どもたちに参加してもらえるオンラインの居場所も必要なんだと実感しています」と話します。

また活動がメディアの目に留まり「てごほ~む」の存在を知ってもらう機会がさらに増えていったそうです。地元の大学生が頑張っている姿を見た地域の塩冶神社の方からは「よければ場所を使いませんか」という嬉しい声もありました。

この縁から塩冶神社を会場とした対面やオンラインの学習スペースとしてスタートすることに。場所を借りるだけでなく、神社の祭事やボランティアなどがあればメンバーが参加してお互いに協力し合いながら活動に取り組んでいます。「身近に協力してくれる方がいるのはとても心強いです。塩冶神社の方はオンラインの機材などに詳しくて居場所として最高の環境です。地域の方々からの応援は活動の大きな支えになりますね」と語ります。

これからも続く活動へ

立ち上げから5年目を迎える「てごほ~む」。この5年間でたくさんの子どもたちが参加してきました。子どもたちからは「勉強がわかるようになって嬉しい!」「一緒に遊ぶ時間が楽しみ!」など笑顔や喜びの声で溢れています。月橋さんは「休憩時間に焼き芋やクリスマス会など新しい取組にも挑戦していきたいです。メンバーや子どもたちのやってみたい!という声に応えながら一緒に居場所を作っていきたいですね」とこれからの活動に思いを馳せます。

「先輩たちが築いてきた想いをつなぎながらこれからも地域とともに活動を続けていきたいです」と思いを語る月橋さん。子どもたちの大切な居場所としてこれからも活動は続いていきます。

「てごほ~む」の参加者を募集しています!
日時:毎週土曜日 10時~12時または14時~16時  対面・オンライン開催
場所:塩冶神社(出雲市上塩1749−7

詳しくはLINEにて紹介しています。活動の様子はInstagramをご覧ください。
皆様のご参加を心よりお待ちしております☺
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